もう見た?
ぽっち作品展「萌し(きざし)」
来週24日(火)が最終日です。
来週の土曜はやってませんよ〜。
引き続き、”萌し”の話を綴ります。
エピソード3 Hさんのきざし
「おさんぽ行きたい」「ももえちゃん」から始まるHさんの一日。
余白が苦手なのか、気になるのか、何かをして時間を埋めて過ごしていることが多い。
好きなものは好き、をストレートに表せる人でもある。
「ももえちゃん(山口百恵さん)」が大好きで、曲が切れようものならすぐに再生を要求。平成生まれのスタッフも「秋桜」を覚えてしまうほどのエンドレスリピート。
そんな性格が、紙の上でもそのまま表れる。
紙の余白を埋めていくように、ノンストップで絵の具をべったり付けた筆を擦り付けていく。名前の「は」の字を繰り返し繰り返し…繰り返し繰り返し…描いていく。
そう…Hさんにとっては、‘描く’というより“消化”の表現の方が近いかもしれない。
業務用ロール紙も、あっという間に終わってしまう。
一発、宝くじでも当てて、「なんぼでも好きな画材買うたるわ!」なぽっちであれば何本でもロール紙を用意できるのだが、現実に戻ろう。
Hさんの消化スピードに追いついていけない問題を何とかせなあきまへんな…でたどり着いたのが、“木の板に重ね描き”。
果たして、余白を埋めるHさんに、重ね書き(…しかも長いスパンで)が通用するのか?という疑問はあったけれど、とりあえずやってみる。
やはり始めは、「いやーん。(白がいい)」の声。
ももえちゃんの力を借りながら、「いいね、いいね!Hさん!」の応援をつけながら、いつしか「いやーん。」がなくなっていた。
正直、彼女が楽しんでいるかは分からない。
でも自分から、「絵、描く。」と言ってきてくれる時点でイヤではなさそう。
来る日も来る日も、筆跡の蓄積から始まる絵の時間。
日に日に、その蓄積が凸凹化し、立体に変化していく様や、その日その日でしか見られない色合いも面白い。
消化する表現から、重ねる・蓄える表現に変わっていったのは、Hさんの心の広がりと面白いの広がりの表れ…だったらうれしい。
スタッフY
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