明桜会ができて20数年・・・
お一人おひとりの「望む暮らし」実現に向けて、明桜会はなにをするのか。
運営企画室から、法人の方向性・現在の取り組みや想いなどをシリーズでお伝えしていきます。
第3弾、記事を書いてくださったのは法人事務課課長の岡平さん。
(このシリーズは、明桜会の社内報「MOKマガジン」にも掲載しています)
2020年は新型コロナウイルスの影響で、衣食住、働き方、遊び方にも変化を強いられ、
新しい年の迎え方までいつもとちがっていたのではないでしょうか。
私も毎年お正月だけは実家に帰って家族と過ごしていましたが、「もしも自分が無症状感染者だったら」
と考えると80歳になる母のところに帰るのは躊躇し、電話で新年の挨拶をした年明けとなりました。
明桜会のそれぞれの事業所でも日々感染対策という業務が直接支援の時間を奪い、
思うように仕事ができないジレンマを抱えておられるのではないかと思います。
年明け早々に2度目の緊急事態宣言が発令され、大地の家から日中通所していた方々も通所をストップし
ステイホームを余儀なくされています。
状況を理解できない方は、毎日玄関先で送迎車を待ち、またカレンダーでしきりに通所できる日を
確認している方もいます。
スタッフもいつもより多い利用者対応に追われ、なかなか個々の支援にあたることができません。
いつもとちがう生活環境にアクシデントも起こりやすくなっています。
集団生活の難しさを感じます。
今回の「MOK」のテーマは「その人の望む暮らし」。
21年前明石に初めてできた入所施設「大地の家」は障害のある子供をもち親亡き後の
不安を抱えた親の会の活動のその時代の集大成でした。
その活動はお給料をもらって「仕事」として活動できる私たちとはちがってただただ
子供の将来を思う親心と無償の活動の積み重ねでした。
今私たちにできること、それはそんな家族の思いを受け止めながらも当事者の代弁ができること、
当事者自身の幸せを考えること、当事者も含めた私たちみんなの幸せを考えること、
そして誰もが幸せな生活を送れる社会を作ること、
それが福祉に携わる人に課された使命ではないかと思います。
出発点はみんなちがうと思います。でも明桜会では知的にハンディキャップをもつ方への
支援が人の幸せを考えるきっかけを作ってくれています。
目の前の人に寄り添う気持ちがその人に影響を与え、所属する集団に影響を与え、
それが形となって現れることで人を、地域を、社会を変えていきます。
福祉に携わる人の仕事はとても尊いものだと私は思っています。
コロナ渦ではピンチをチャンスに変えて成果を出している企業もあれば、どうしようもなく
日々の生活を締めつけられている人もたくさんいます。
先日ある俳優さんがテレビでおっしゃっている言葉が心にささりました。
「有事の時にまず切り捨てられるのが文化や芸術、音楽や舞台だけど、こういうものがあるから人の心は
豊かになる。こういう時にこそ人の心に届く何かを生み出すのも僕らの仕事だと思う。」
私たち福祉に携わる人間が有事にこそ生み出すものがあるとしたらそれは何だろう。
それはきっと日々の暮らしの中のちょっとした「気づき」から生まれるのではないかと私は思います。
“人の心に届く何か”…皆さんはどう思われますか?
~想像し創造しよう~今年も、ともに歩み明日を作る仕事を明桜会でぜひ一緒に。。。