こちら、運営企画室‼ Vol.2

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こちら、運営企画室‼ Vol.2

明桜会ができて20数年・・・

お一人おひとりの「望む暮らし」実現に向けて、明桜会は何をするのか。
運営企画室から、法人の方向性・現在の取り組みなどをシリーズとして
お伝えしていきます。


第2弾となる今回、記事を書いてくださったのは運営企画室の三村さん。
(このシリーズは、明桜会の社内報「MOKマガジン」にも掲載しています)


-その人の望むくらしと、誰にもやさしいまちづくりの一端を担う-

私が勤め始めたころ、障害のある方の進路は本当に限られており、
そこに空きがあるかないか?そこで提供している作業ができるかできないか?
が選択するポイントでした。
「自分が望むくらし」を選ぶという観点からはかけ離れざるを得ない
状況にあったと思います。

 そこから約20年程度、今では市内100を超える障害福祉サービスが
選択できるようになりました。
制度も変容し福祉サービスも多様化し、日中サービスのみならず生活
や余暇における支援も増えました。
この点では、間違いなく選択肢は広がり充実したと言えます。

でも、「その人の望むくらし」が実現できるようになっているのか?
の視点に立つと、まだまだできるようになったと言い切れないと思っています。

 選択肢が増えたことは間違いなく良いことなのですが、反面その範囲
で考えることが普通になり、支援も選択先のサービス提供範囲に留まって
しまうことが増えたように思います。
その点では、「その人の望むくらし」に寄り添い創造する機会はむしろ
減っているかもしれないと感じています。

毎日通える場所がある、送迎がある、保護者様が不在の時に代わって、
ご飯を準備してくれて、お風呂に入れて、お薬など健康管理の支援が
受けられる。
もちろんこれらは重要なのですが、そこは生活をしていく上で最低限の
部分になります。
「その人が望むくらし」の実現には、(その人が)願いを持ちそのことを
分かってもらえる、そして自分の成長を感じたり、人の役に立っている
ことを実感できたり、他者に認められていることを感じられたり、好きな
趣味や買い物を楽しみ生きがいを感じたり、そして何より自分の選んだ
場所で生活できるということが必要になります。

 でも、安心安全を前提に考える福祉サービスでは、わかっていても制限
せざるを得ないことが起こってしまいます。
「その人の望むくらし」には、福祉サービスが増えるだけではどうしても
補えません。
そこで、くらしの基盤になる「誰もが安心して当たり前に過ごせる地域」
が重要になってきます。

 私は、明石市の「誰にもやさしいまちづくり」この言葉がシンプルで
好きです。法人理念にもつながるスローガンです。

これは、ただ自分にとって都合がいい社会を追求することではなく、障害の
あるなしに関わらず、その人、その周りの人、一人一人が譲り合えて、
気づき合えて、困った時には支え合える社会を指すものだと思っています。

そのために、明桜会がする事が何なのか?
足りない資源を整えていくことに並行して、地域のネットワークの輪が
広がっていくように地域を知る、そして知ってもらう、“地域は人である“ 
を大切にコミュニティーの一員として参画する。
また、「自分以外の誰かのために」を創造しできることを実践していくこと
だと思っています。

 まちを作る、とても大きなテーマですが、
「誰にもやさしいまちづくり」それを他の誰かの役割と傍観するのでは
なく、着実にその一端を担っていくことが私たちの使命だと思っています。