みなさん明けましておめでとうございます。
サポートセンター翔の永井です。
さて、このブログリレーですが、そろそろ中盤の折り返し点辺りになりますが、バトンをを落とさずに何とか完走して次にバトンタッチしたいと思います。
私がサポートセンター翔に着任したのが平成29年の春なので、この約2年間の中での出来事などを少しお伝えさせて戴きたいと思います。
「地域の中で」
サポートセンター翔
管理者 永 井 照 行
さてさて、サポートセンター翔はずいぶん前から、農作業をする為の畑を魚住町の金ヶ崎と言う所で借用しています。でも、施設での活動がだんだんと忙しくなり、手があまり入らず草も良く伸びて・・・、と言った状態でした。一方では立派なビニールハウスやトラクターもあり、何とかならないかと考え、暇を見つけては草刈りに出かけ始めたのが一昨年の5月頃でした。
ところが、長い間あまり手が入っていなかったので刈り取った草も山積みで、草刈りもなかなか進まず、しかも春から夏は刈った先から草がまた伸びて、刈っては生えてくる草との戦いでした。それでも、汗しながら草刈りをしていると、気が付くと、近所にある工場の社長さんの様な方が、すぐ南側のあぜ道に来ては、時々ゴルフの練習をされているのを見掛ける様になりました。
それから一ヶ月程した頃、草刈りの途中に一休みしていると、その方が「草刈り大変やなー、がんばりよー」って声を掛けて来られたのです。汗だくになって草刈りしてる一方で、社長ともなると、昼休みもゴルフの練習で忙しいんやなーって思いながら「こんにちはー、宜しくおねがいします」となどと思わず返答していた事を覚えています。
その後も、畑で草刈りしていると、その方が時々覗きに来られる様になり、そのうちお互い世間話をするようにまでなりました。それでわかったのは、その方は工場の役員さんとの事でした。そして、覗きに来られる度に「ようがんばるな~」って励ましてくれて、何と無く背中を押されている感じもする様になりました。
しかし、草との戦いは続き、同じく刈っては生え、生えては刈っての繰り返しでした。ある日、草を捨てるためにトラックで畑に出かけたことがありました。その前の数日が雨でしたが気にせず出掛け、いつもより奥までトラックを入れ過ぎてしまい、気が付くとトラックがぬかるみにはまってしまいました。木材を持って来たり、毛布を挟んでみたりもしたのですが・・・、余計に深みに入り、どうしよう・・・?と困っていたところ・・・、
丁度、畑の東向いにJA系の農業倉庫があり、たまたまそこに居られた方が、私が畑で困っているのを遠目に見かけて、颯爽とトラクターに乗り来てくれました。そして、「引張ったるわ~」と言っては、馴れた手つきでトラクターにワイヤーを繋ぎ、「引っ張るからトラック乗ってみ~」と、その後トラクターに引っ張ってもらい、トラックは無事ぬかるみから脱出する事が出来ました。「有難うございました!」とお礼は言ったものの、お名前は?と聞く間もなくその方は、あばよ~的に去って行かれたと言う事もありました。
そうこうしている間に季節は夏を過ぎ、やっと草の成長スピードがゆっくりになり草刈り以外に、ようやくトラクターで畑を耕せる様になりました。でも、トラクター初心者なので、実はぬかるんだ畑の中でトラクターが止まってしまい、他のスタッフに救出して貰った事も度々ありました。それでも続けているうちに何とかなるもので、サポートセンター翔の伝統“にんにく”の植え付けをする為のうね上げまで何とか出来る様になりました。その後も、おいしいエンドウ豆が採れ収穫の喜びも少し味わえる様になりました。
そして、今年度に入り、また春が来て、再度草との闘いが再開しました。今年は負けへんでーと思いながら時間があると畑に出かけてという具合でした。しかし、ある日職員2名が夕方に畑作業に出掛た後に、施設へ連絡が入って来ました。「車が脱輪してしまい・・・(汗)・・・」と言うことだったので、私は以前救出してもらった方の様に、数名のスタッフと気持ちだけは颯爽と救出に向かいました。
さて、現場に着くと、丈夫そうなビニールロープがあったので、それをトラクターにくくりつけて脱輪した車を引っ張ってみたのですが・・・、無残にも途中でロープが切れてしまい・・・、以前助けて頂いた方の様に上手くは行きません・・・、それどころか車はさらに深みに入りそうで・・・と言う状況になり、ワイワイ言いながら四苦八苦していると、全く知らない近所の年配の方が、わざわざワイヤーロープを持ってきて下さり。「これで引っ張りー」と差し出してくれました。本当にこの辺りの方達はなんて親切なんやろ~!と思いつつ、ワイヤーロープを使わせて頂き、何とか脱輪した車を引っ張り上げる事が出来ました。
その後、季節は夏から秋へと移り変ろうとしている頃、台風20号と21号が続けてやって来ました。今までに無い暴れ様で、想定外だったのですが畑のビニールハウスが骨組みごと折れ曲がって見事に壊れてしまいました。それでも、壊れたハウスの片付けをしないといけないので、落ち込みつつも畑に出かけた所、気が付くといつもの工場の方が来られて「大変やなー、このハウスどうすんの?」と興味津々な様子で尋ねて来られました。「これから業者と相談する予定です・・・」と答えると、「うちの工場に木材が余っていて、それを置いてるから要るんやったら使ってよー」と話して下さいました。単に興味本位ではなく翔のハウスが壊れてしまった事を一緒に心配してくれていたようです。地域の皆さんは見て無い様で?いろいろと見守ってくれているのだと改めて実感しました。
その他のエピソードでは、近所の小学校の遠足で、帰り道におしっこしたくなって、翔に先生とトイレを借りに寄った小学生。自転車通学の途中で転倒して膝をすりむき、翔の職員にバンドエイドを貼ってもらった高校生。サポートセンター翔のイベントに来て一緒に楽しめた小学生親子。魚住周辺の歴史探訪の途中にトイレ休憩に立ち寄られたシニアグループの皆さん。地域のお祭りに自主生産品やたい焼きなどを一生懸命販売したスタッフ。などなど、少しずつ自然な形での関わりや交流が深まり、いろんな所で地域の方達と少しずつ繋がりが出来ているのか?と実感しています。
勿論良い事ばかりではなく、時には困った事や悩ましい状況もあったりしますが・・・、
これから少子高齢化が更に進み社会状況も徐々に変化してゆく可能性がありますが、このような草の根的な交流やつながり作りから、お互いに助けたり助けられたりの繰り返しの中で、「障害のある方もない方も誰もが共に支えあえる住みやすい街作り」が少しでも進めばと思います。そのために、畑を耕すように自分達のペースで地域を少しずつ耕して種を撒きたいと思います。では、今日も手分けして元気に耕しに出掛けたいと思います。